おいしさを科学する!? 産学連携の共同開発
与論島から「Umi-Labo」ATPシビ
鹿児島市から南へ590km。息をのむほどに美しい与論島の海で獲れるシビ(キハダマグロ)は、淡いピンク色の身が美しく、コリコリッとした食感と程よい甘みがある、おいしい魚です。ところが、翌日になると、食味も色あいも変わってしまうため、従来の方法では流通に乗せることは難しいとされていました。この問題を解決すべく、鹿児島大学と与論島漁協の共同研究によって生まれたのが「ATPシビ(キハダマグロ)」です。動物の細胞内にあるエネルギー源となる物質「ATP(アデノシン三リン酸)」が、たんぱく質の変性を抑え、変色を防ぐ働きがあることに着目。獲れたてのシビを船上で神経締めにし、帰港後すぐに加工して急速冷凍することで、ATPが失われずに鮮度が保たれます。氷水でゆっくり時間をかけて解凍すれば、ぷっくり弾力のあるおいしい刺身がいただけるというわけです。知る人ぞ知る、この与論島の魚のおいしさを日本全国津々浦々へお届けしたい。そんな情熱の賜物が「Umi-Labo」。これからも新しい挑戦は続きます。